トヨタプリウスのエンジンとインバータ冷却水(クーラント)交換方法【現役整備士が解説】

こんにちは、すすてっくです。

先日30系プリウスの冷却水交換をしたのですが、特にインバータ用はマニュアルが必須だと感じました。

そこで今回はプリウスの冷却水交換手順と費用についてモデル別にまとめました

  • プリウスの冷却水交換方法は?
  • エンジン側とインバータ側で方法が違う?
  • 交換費用は?

といった疑問を解決できる記事になっています。

プリウスの冷却水を交換する際はぜひ参考にしてください。

関連記事 トヨタアクアのエンジン冷却水とインバータ冷却水交換手順と費用をご紹介!

プリウスの整備モード移行手順

プリウス メンテナンスモード

エア抜きで整備モードにする必要があるので、まず最初に整備モード移行手順をご紹介します。

プリウスの整備モード移行手順

IG ONで60秒以内に下記の操作を行います。

  1. シフトポジションPでアクセルペダルを2回全開
  2. ブレーキ踏んでシフトポジションNにする
  3. アクセルペダルを2回全開
  4. ブレーキ踏んでシフトポジションPにする
  5. アクセルペダルを2回全開
  6. ブレーキペダルを踏みREADY ON

50系プリウスでは2WD整備モード(排ガス測定用)に該当します。

30系プリウスと40系プリウスαの冷却水交換手順

30系プリウスと40系プリウスαの冷却水交換手順をご紹介します。

エンジン用冷却水交換手順

  1. ラジエータドレンプラグをゆるめる。
  2. リザーブタンクキャップを取りはずす。
  3. 冷却水が抜けたらラジエータドレンプラグを閉じる。
  4. ラジエータリザーブタンクBラインまで冷却液を注入する。
ラジエータリザーブタンク
  1. リザーブタンクキャップを取り付ける。
  2. 車両を“整備モード”にする。
  3. サーモスタットが開弁するまでエンジンを暖機。
  4. エンジンを停止させ冷却液が冷えるまで待ち、水位をFULLからLOW間になるように調整する。
  5. ⑤から⑧の作業をエアーが完全に抜けるまで繰り返す。
  6. ラジエータリザーブタンクの水位がFULLからLOW間に調整して完了。

インバータ用冷却水交換手順

インバータ用冷却水は排出量を測定し、補充時に同容量以上補充されたことを確認するようにしてください。エアが混入した状態で走行するとダイアグコードが出力します。

  1. インバータラジエータキャップを取りはずす。
  2. ドレンプラグをはずし、冷却水を抜き取る。
ドレンプラグ
  1. 冷却水が抜けたらガスケットを交換してドレンプラグを取り付ける。(締付トルク:39 N・m
  2. ドレンより抜けた冷却水量を計測する。(全容量:2.1 L
  3. インバータリザーブタンクより冷却水を注入する。
  4. OBDテスターで [アクティブテスト] → [ウォータポンプ]を選択し、ウォータポンプを作動させる 。(整備モードにいれることでも、ウォータポンプを作動させることができる)
  5. FULL付近で水位を保つように冷却水を補充しながら、ウォータポンプを約1分間作動させその後1分間停止させる。(エアが出なくなるまで3回程繰り返す)
  6. エア抜きが完了したら、FULLからLOW間に調整しインバータラジエータキャップを取り付ける。

50系プリウスの冷却水交換手順

50系プリウスの冷却水交換手順をご紹介します。

ラジエータドレンコックは上がエンジン用、下がインバータ用です。

エンジン用冷却水交換手順

  1. ラジエータドレンプラグ(上側)をゆるめる。
  2. ラジエータキャップを取り外す。
  3. 冷却水が抜けたらラジエータドレンプラグ(上側)閉じる。
  4. 冷却水を注入口から注入する。
  5. リザーブタンクキャップを取り外す。
  6. 冷却水をラジエータリザーブタンクASSYのMAXラインまで注入する。
ラジエータリザーブタンクASSY
  1. リザーブタンクキャップを取り付ける。
  2. ラジエータキャップを取り付ける。
  3. 車両を“整備モード”にする。
  4. サーモスタットが開弁するまでエンジン暖機。さらに数分間暖気し、冷却水を循環させる。
  5. エンジンを停止し冷えるまで待つ。
  6. 水位をMAXラインからMINラインの間に調整して完了。

インバータ用冷却水交換手順

インバータ用冷却水は排出量を測定し、補充時に同容量以上補充されたことを確認するようにしてください。エアが混入した状態で走行するとダイアグコードが出力します。

  1. インバータリザーブタンクキャップを取りはずす。
  2. ドレンコックプラグ(下側)をゆるめて冷却液を抜き取る。
  3. ドレンコックプラグ(下側)を締め付ける。
  4. 抜けた冷却水量を計測。(全容量: 1.4 L
  5. 冷却水を注入する。
  6. OBDテスターで【 アクティブテスト】→【 インバータウォータポンプ】を選択し、インバータウォータポンプASSYを作動させる。(整備モードにいれることでも、インバータウォータポンプASSYを作動させることができる。)
  7. FULL付近で水位を保つように冷却液を補充しながらインバータウォータポンプASSYを約1分間作動させその後1分間停止させる。(エアが出なくなるまで3回程繰り返す)
インバータリザーブタンクASSY
  1. エア抜きが完了したら、インバータリザーブタンクASSYのFULLまで冷却液を補充しインバータリザーブタンクキャップを取り付ける。

プリウスの冷却水交換費用

30系プリウス、40系プリウスα

用途工数工賃
エンジン用一般整備 1.0
法定点検 0.8
8,800円
7,040円
インバーター用1.08,800円
(税込み)

レバーレートは8,800円(税込み)で計算しています。別途部品代(冷却水代)が必要です。

50系プリウス

用途工数工賃
エンジン用一般整備 0.9
法定点検 0.7
7,920円
6,160円
インバーター用0.97,920円
(税込み)

レバーレートは8,800円(税込み)で計算しています。別途部品代(冷却水代)が必要です。

まとめ

今回はプリウスの冷却水交換手順と費用についてご紹介しました。

プリウスの冷却水交換は意外と難しくないのでぜひチャレンジしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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すすてっく2級自動車整備士 自動車検査員
現役整備士ブロガー|整備士歴15年以上|元オートバックス社員|自動車の整備や工具に関する情報を発信しています。