こんにちは!すすてっくです。
エアコンの不調で
- エアコンが効いたり効かなかったりする
- 最初は効いているがしばらくすると効かなくなる
といった症状の場合、A/Cコンプレッサーのマグネットクラッチが何らかの原因で停止していることが多いです。
そこで今回はマグネットクラッチの点検方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
関連記事 MH23SワゴンRのエアコンが効いたり効かなかったりする原因
マグネットクラッチリレーの基礎知識
4極リレー端子の見方
マグネットクラッチの点検の前にまず4極リレーの端子の見方をご説明します。
日本車でよく使用されている4極リレーの場合、
- 幅の広い2本の端子がスイッチ側
- 幅の狭い2本の端子がコイル側
です。この画像の場合だと上側の2本がスイッチ側で下側の細い端子がコイル側になります。
リレーの単体点検を行う場合は幅の狭い端子の両側にバッテリーの+と-をつなげて作動音がするか点検します。
マグネットクラッチリレーソケット端子の番号と接続先
マグネットクラッチリレーの接続先はこんな感じです。
- ヒューズ(スイッチ側電源)
- A/Cコンプレッサーマグネットクラッチへ
- エンジンECUへ
- ヒューズ(コイル側電源)
回路図は各メーカーによって異なります。
マグネットクラッチ故障診断の流れ
- 電源回路の点検
- マグネットクラッチ単体点検
- マグネットクラッチ抵抗測定
- マグネットクラッチクリアランス測定
マグネットクラッチの点検の流れはこんな感じです。順番にご説明します。
電源回路の点検
まず最初にマグネットクラッチリレーまで電源が来ているかの確認です。
エンジンを始動しエアコンをON、マグネットクラッチリレーを外した状態で点検します。
①マグネットクラッチリレーソケットのNo.1端子とボディアース間の電圧を測定する
バッテリー電圧ならOK
②マグネットクラッチリレーソケットのNo.4端子とボディ アース間の電圧を測定する
バッテリー電圧ならOK
マグネットクラッチ単体点検
①マグネットクラッチリレーソケットのNo.1端子とNo.2端子間をジャンパワイヤで短絡させる
クラッチの作動音がすればOK
作動音がしない場合はマグネットクラッチの故障が考えらるので次に進みます。
リレーソケットNo.2端子~マグネットクラッチ間で断線が無ければマグネットクラッチ不良確定です。
マグネットクラッチ不良の原因はフィールドコイルの断線かクリアランス不良が考えられますが、クリアランス不良の場合は調整で直ることがあるのでさらに診断を進めます。
マグネットクラッチ抵抗測定
①マグネットクラッチのフィールドコイルの端子とコンプレッサの本体にサーキット テスタを当て抵抗を測定する
標準値: 3.05-3.35Ω (20°C)
基準値外の場合はフィールドコイルの断線が考えられます。
この場合はフィールドコイルの交換になります。
マグネットクラッチリレーソケットのNo.1端子とNo.2端子間でも簡易的に抵抗を測定することができます。
マグネットクラッチクリアランス測定
①アーマチュアとロータ プーリのすき間をシックネスゲージで測定する。
すき間: 0.35-0.60mm |
基準値外の場合はすき間の調整を行います。
摩耗がひどい場合はクラッチセットを交換します。
この場合は接地面の修正とすき間の調整で何とかなる場合が多いです。
ホンダ車の場合は部品が分かれているので要注意
ホンダ車の場合は「マグネットクラッチ」がクラッチセットとフィールドコイルに分かれているので部品発注時は要注意です。
まとめ
- エアコンの電気的故障の場合リレーソケット端子で診断する
- マグネットクラッチの故障は主にフィールドコイル断線とクリアランス不良に分かれる
- クリアランス不良の場合は調整で直る場合がある
- ホンダ車の場合はマグネットクラッチの部品が分かれているので要注意
今回はマグネットクラッチの診断方法をご紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
エアコン関連記事です。
型式:DBA-JC1
初年度:20年11月